外壁塗装の工程
外壁塗装の工程
このページでは、「外壁塗装の工程」をご紹介しています。
2021/02/20
外壁塗装の工事にあたり、「どんな作業が行われるのだろう?」「作業の流れは?」と疑問を持たれた方も多いのでは無いでしょうか?外壁塗装を依頼する際、作業工程を把握しておくのは大切なことです。いざ工事が始まると、現場はメッシュシートで覆われ、こちらからはどんな作業が行われているのかが見られなくなってしまいます。どのタイミングで、どのような作業が行われているのかはっきり把握しておくことで、手抜き作業などによる“失敗”を防ぐことにつながります。
外壁塗装の工程や注意点をチェックして工事本番に備えれば、より安心して工事を見守ることができるでしょう。ぜひ、最後までご覧ください。
目次
1近隣へのご挨拶
2足場の設置
3塗装前の高圧洗浄
4下地調整・ケレン
5塗装前の養生
6塗装作業
下塗り
中塗り
上塗り
付帯部の塗装
7点検・手直し
おわりに
コンテンツ目次
1近隣へのご挨拶
外壁塗装をするにあたり、お知らせとご挨拶をご近所の方へ行います。施工にあたり塗料が飛び散ることや、塗料独特の臭いが発生する場合があるため、ご近所の方の生活にも影響を及ぼしてしまうこともあります。そのため挨拶回りは非常に重要です。塗装業者さんと共にしっかりとご挨拶に行くことをおすすめします。
注意点
ご挨拶の際には下記の3点をお伝えしておくと近隣トラブルの防止に繋がります。
・工事の期間(開始日〜終了日)
・工事の開始時間と終了時間
・休日の工事の有無
2足場の設置
業者さんが安全な作業を行うために、適切な足場を確保しなければなりません。安全な足場を組むことは、安全に塗装作業を進めるために重要な第一歩です。
この工程では、足場の材料を運び入れて足場を組み、近隣に塗料などが飛び散らないように養生シートやメッシュシートを張り付けます。そのため、家の周りの物は片付けておきましょう。
注意点
・「足場代無料」は要注意
「今なら足場代を無料にしますよ!」などと謳い、すぐに契約を結ばせようと
する悪徳業者がいます。しかし、実際には他の工程で足場代分の費用を加算されている可能性があります。また、足場代を無料にするということは、足場の組み立て・解体をする職人さんに対して賃金を払わないということです。職人さんを丁寧に扱っていないということは、その業者さんは手抜き作業をする可能性があり、非常に危険です。ですから、「足場代が無料になります!」という謳い文句にはくれぐれも気を付けましょう。
・足場の設置には国家資格が必要
高さ5m以上の足場の設置・解体には、国家資格である「足場の組立て等作業主任者」を有する人の指揮のもと行うことが、労働安全衛生規則によって義務付けられているのです。また、平成27年の労働安全衛生法の改正により、足場の組み立てをする作業員全員の特別教育の受講が必須となったため、足場の設置は専門の足場業者に委託する塗装業者も近年では増えてきました。
3塗装前の高圧洗浄
この工程では、高圧洗浄による外壁の掃除を行います。塗装前に、外壁に付着しているホコリ・汚れ・カビ・苔や、塗装の劣化によって壁の表面にできた粉(チョーキング)を落とします。
もし壁が汚れているままで塗装をしてしまうと、わずか1〜2年で塗料が剥がれ落ちてしまう場合があります。塗装を長持ちさせるために、丁寧な洗浄は欠かせません。
主に高圧洗浄機を用いて洗浄しますが、高圧洗浄機が使えない部分にはブラシ等を使って手作業で汚れを落とします。その際、屋根や外壁の劣化部分のチェックや、傷みの詳細状況を確認します。手作業が増えると、その分通常よりも洗浄作業期間が増えるので注意しましょう。
注意点
・雨戸やシャッターは全て閉めておく
洗浄時には、雨戸やシャッターなどを全て閉めておく必要があります。なぜなら、水を高圧で噴射し汚れを落としていくため、水やホコリ、落ちた汚れが大量に飛び散る恐れがあるからです。
4下地調整(ケレン)
この工程では剥がれた塗料の除去、サビ止めの塗布などで下地を調整し、塗料の密着を高めます。下地調整は、塗装に入る前の下準備として最も重要な工程です。
下地調整が必要なもの
・ひび割れ(クラック)
・塗膜の剥離
・シーリング(コーキング)の劣化
・金属部分のサビ
・コンクリート、モンタルの補修
ひび割れ(クラック)箇所の補修では、目立った割れなどの問題がなければ作業は一日で終わりますが、割れが大きく、また劣化が進んでいる場合には数日かかることがあります。
クラックの上にそのまま塗料を塗ってしまうと、同じ箇所から再びひび割れを起こす可能性があるため非常に危険です。また塗料の剥がれや膨らみも同様、傷んでいる箇所はシーリング材や樹脂モンタルで補修しなければなりません。
そして、ケレンという作業では塗装する金属部分をヤスリで削り、サビを取って下地を整えます。
サビ防止のために、サビ止め塗料を雨戸やベランダの手すり等の金属部分に塗ります。サビ止め塗料を塗ることは、家の持続性を高めることにもつながる重要な工程です。
注意点
・分かっている外壁のひび割れや傷みは業者さんに伝えておく
ご自身で把握している外壁のひび割れや傷みのある箇所は、あらかじめ業者さんに伝えておきましょう。下地調整の欠陥は、すぐに塗料剥がれが起こる原因となります。塗装を長持ちさせるためには、下地調整時にひび割れやサビなどをしっかりと把握したうえで作業する必要があります。
5塗装前の養生
この工程では、窓や玄関などの塗装面以外を保護するために、ビニールシートなどで覆っていきます。塗装作業に入る前に、塗料を塗らない箇所に塗料が付着しないようにしておかなければなりません。必要に応じてエアコンの室外機や植木鉢、車やバイクなどにも塗料の付着を防ぐために保護しておきます。
外壁塗装期間中は、養生をしているので窓や雨戸が開けられなくなります。外壁塗装期間中は屋内全体が閉め切った状態になるということを覚えておきましょう。
6塗装作業(下塗り・中塗り・上塗り)
この工程から外壁塗装に入ります。作業は、下塗り・中塗り・上塗りの三工程に沿って行われます。よって、作業期間も三日間を有します。塗料はムラ無く均等に塗るために、重ね塗りをする必要があります。中塗りを省いて上塗りをすると、必ず塗りムラができてしまうのです。
下塗り
初めに、下地強化剤で下塗りを行います。この工程は、その後の中塗り・上塗り塗料がしっかり壁に定着するためにとても重要です。下塗りで使用する塗料は、外壁に合った種類のものを選びます。シーラーやフィラー、プライマーなどが挙げられます。
中塗り
下塗りが完全に乾いたら、中塗りをします。基本的に、中塗りでは上塗りと同じ塗料を塗ります。中塗りは、塗膜全体に厚みを作り、塗料の機能を長持ちさせるために欠かせない工程なのです。
上塗り
基本的には、中塗りの時と同じ塗料を重ねて塗ります。それぞれの塗装工程でしっかり乾ききった後に塗料の重ね塗りをしなければならないので、工程を分けて乾燥させる時間をとる必要があります。
付帯部の塗装
上塗りまで終われば、フード(換気口などに取り付ける覆い)や破風板(屋根と壁の間にある板)など、壁に付帯する部分の塗装を行います。基本的に、付帯部の塗装は二回塗りで行います。
注意点
・中塗りと上塗りは必ず別日
まれに、1日のうちに中塗りと上塗りの両方を行ってしまう業者もいます。しかし、完全に乾ききっていない塗料の上に重ね塗りをしても、塗料本来の性能が発揮されません。ですから、中塗りと上塗りを同日に行うような日程が書かれている場合は要注意です。
・作業内容報告を確認
優良業者さんの場合、お客様がお家を空けている日に施工がされた場合にも、作業内容報告をしっかり行ってくれます。見積もりに記載されている塗料が塗られているか、また、下塗り・中塗り・上塗りの三回塗りがしっかりされているかなどもチェックしておきましょう。
7点検・手直し
塗り残しや塗りムラが無いか確認し、ご自身でご確認のうえ必要に応じて手直しを行います。
不備があると、見た目は良くてもすぐに塗装が剥がれてしまうなどの不具合が生じてしまうため、手直しの必要がある箇所が無いか念入りに確認しましょう。
注意点
・塗装業者さんと一緒に確認
塗り残しや塗りムラが無いか、塗装業者さんと一緒に確認しましょう。また、見る距離(近くから見るか、遠くから見るか)によって見え方が違う場合もあるので、どちらからも確認しておくとよいでしょう。
8片付け・足場の解体・撤去
足場の解体と撤去、そして片付けや清掃をします。作業員がお客様と最終確認を行ったうえで、作業は完了です。最後に、ご近所の方に工事終了の挨拶と感謝を伝え、外壁塗装工事は終了となります。
注意点
・塗装剥がれが無いか確認
作業終了後に確認すべきこととして、“塗装剥がれ”が挙げられます。足場の解体時、外壁に当たってしまい塗装が剥がれてしまうことがあるため、作業後の念入りな確認が必要です。塗装終了後と足場解体後の二度、塗装チェックを行うことをおすすめします。
おわりに
ここまでお読みいただきありがとうございます。
この記事では、外壁塗装の基本工程と注意点の解説をしました。外壁塗装にはたくさんの工程と、各工程に伴う注意点がありましたね。施工前にご自身でそれらを把握しておくことで、施行中も安心して過ごすことができるでしょう。
残念ながら、施工工程の一部を省くことや、不当な金額を示す等を行う悪徳業者も存在します。しかし、以上の記事内の注意点をしっかり把握しておくことが、悪徳業者から大事なお住まいを守ることにつながるのです。業者を選ぶ際は、慎重に検討しましょう。