外壁塗装と減価償却について
外壁塗装と減価償却について
このページでは、「外壁塗装と減価償却について」をご紹介しています。
2021/01/31
外壁塗装には、大きなお金がかかる場合がありますが、個人が住むための家を塗装する場合、特別な申請や費用の形状などは必要ありません。
しかし、もしもあなたが不動産投資などを行っているのであれば、外壁塗装の費用をどの様に計上するのかで税金が大きく変わってきます。
このページでは、そんな外壁塗装における減価償却についてお話します。
コンテンツ目次
外壁塗装における費用の計上方法は2種類
外壁塗装における費用の計上には
・修繕費
・資本的支出
の2種類があります。
修繕費とは、名前の通り壊れた部分を補修するためにかかる費用のことです。
資本的支出とは
「使用可能年数の延長・資産価値の増加を伴う支出」
の事を言います。
資本的支出は減価償却が可能
では、この2種類の計上方法では何が違うのか。
それは、資本的支出は「減価償却」が可能な事です。
減価償却とは、長期的に使用する資産に関して、購入した年に全額お金がかかった事にするのではなく、毎年少しずつ費用がかかったと「仮定」する方法になります。
たとえ今年一括で購入したものであったとしても、毎年少しずつ支払った事にできるということです。
そういう制度があるということは、それにはメリットがあるということです。
例えば、今年500万円の設備を購入したとしましょう。
その費用を全て今年計上してしまうと、たとえ毎年300万円の純利益が残っていたとしても、
今年:▲200万円
1年後:300万円
2年後:300万円
3年後:300万円
4年後:300万円
というように、初年度だけが大きく赤字になってしまいます。
しかし、減価償却を行い、5年間で100万円ずつ費用がかかったことになると、
今年:200万円
1年後:200万円
2年後:200万円
3年後:200万円
4年後:200万円
となり、1年も赤字を出していない優良な企業として判断されます。
会社としてのこの実績は、銀行からの融資を受ける際などに役立つのです。
国税庁による資本的支出の定義について
外壁塗装が減価償却として認められるといっても、無条件で行える訳ではありません。
国税庁のホームページには、資本的支出に関して下記の様に記載されています。
法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額が資本的支出となるのであるから、例えば次に掲げるような金額は、原則として資本的支出に該当する。
(1) 建物の避難階段の取付等物理的に付加した部分に係る費用の額
(2) 用途変更のための模様替え等改造又は改装に直接要した費用の額
(3) 機械の部分品を特に品質又は性能の高いものに取り替えた場合のその取替えに要した費用の額のうち通常の取替えの場合にその取替えに要すると認められる費用の額を超える部分の金額
(注) 建物の増築、構築物の拡張、延長等は建物等の取得に当たる。
上記のようなケースは一般的に資本的支出として扱い減価償却をします。
反対に、上記に当てはまらない場合には修繕費として計上するのが一般的です。
怪しまれないためにも外壁塗装のプロに相談してみよう
修繕費として費用計上することにも資本的支出として計上することにも、それぞれメリットとデメリットがあります。
例えば、減価償却をすることで毎年利益を出している様に見せれば、銀行からの融資を受け取りやすくなるというのは前述しました。
今後、複数棟の物件を管理するなど事業を広げていく際には、自己資金率を下げておくと実質の運用利回りは大きくなります。
反対に、1年で見た時にほとんど利益が残っていないように見えれば、その年に支払う税金が少なくて済みます。
また、たまたま今年大きな利益が入ったけど来年からはそれが見込めないといったケースの場合、修繕費として計上する方が良くなります。
不動産を複数保有している場合には、物件を売却したときには手元に大きなお金が残りますよね。
それらに対して税金を支払うのではなく、他の物件を購入することで課税対象から外すといった方法を取る人もいるかと思います。
しかし、現在不動産投資自体が非常に人気ですので、場合によってはすぐに収益物件が見つからない可能性もあるでしょう。
その時に税金面を考えて焦って新しいものを購入するよりも、じっくりと検討して良い物件を選ぶ方が良いこともあります。
そういった時に、単年での修繕費として計上する方が得な場合もあります。
ですが、こういった方法は金額が大きくなってくるほど国に怪しまれる可能性もあります。
何もやましいことがないのに、疑われるのは嫌ですよね。
そうならないためにも、外壁塗装の費用に関してはプロである施工会社に確認してみるのはいかがでしょうか。
施工会社は、毎年何百件という施工を行っていますから、同じような相談を受けている可能性は高いです。
また、
「一般的な費用計上」
に従うことで、国から怪しまれる可能性は低くなります。
現在、東京にはたくさんの塗装業者がありますが、きちんと相談に乗ってくれる塗装業者はまだまだ少ないと思っています。
そのため、優良業者かどうかを見極める一つの判断基準としても、こういった経理面の質問をしてみるのも良いかもしれません。